こんにちは。AGING WELLの大工×建築士の野澤万里です。湿気が多く蒸し暑い日々が続きます。AGING WELLオーナーの皆さまは、エアコンをうまく使えていますか?温度設定や使い方がわからない方はご連絡くださいね。
さて、今回は先日ご提案した奈良県生駒市の新築物件のプランニングについて。今回のご要望と、普段どんなところに気を使ってプランしているのかをお話しします。
ご要望について
今回のオーダーをざっくりまとめると以下の通り。
■リビング・テラス・庭を普段から使いやすくしたい(普段の食事をテラスで食べる)
■キッチンから庭を眺めたい
■1階には和室兼ゲストルームになる個室が必要
■吹き抜けと広いリビング
■水周りの使い勝手
■ご自宅でリモートワークが基本なので、整った明るいワークスペースが欲しい
などなど
今回、広いリビングやゲストルーム、ワークスペースまで入った計画なので、かなりのボリュームになると予想されます。限られた予算の中でご要望を叶えていくとなると、建物が大きくなりすぎないようにしながら、空間を広く見せる設計の技術が問われます。
現地調査
設計に入る前に必ず現地調査を行います。何を見ていくかというと、ライフライン(電気引き込み・水道の口径・排水経路など)・敷地に高低差があるのか、付近の家の窓や高さ、想定される視線や周りの景色・太陽の動き(夏・冬)など、土地販売資料や図面だけではわからない細かな部分を調べます。
今回の物件は生駒山脈のふもとにある南向きの敷地で、南に向かって段々に下がっていきますので南側はさえぎるものがほとんどなく冬場は8:30~日没まで太陽の光を受けることができるような好条件の敷地でした。しかも、生駒山脈が目の前に広がり、晴れていれば金剛山まで見えるのではないかという素晴らしい景色を愉しめる素敵な場所でした。
大阪ではなかなか出会えない景色だったので、早く設計がしたいと思いながら事務所に戻りました。
敷地条件を整理
設計に取りかかる前の準備段階として、敷地の近隣状況を図面に落とし込み、そこから建物の配置を検討します。
上の図はプランのプレゼン資料から抜粋した配置計画。道路からの1mほどの高低差や、東側の家からの視線が気になりますが、比較的自由な発想でプランができそうです。自由といえども、耐震性を保てるように構造計画ルールを守ったり、広くなってしまって予算オーバー、なんてことがないように気を使いながら計画します。今回は、リビング→テラス→庭→生駒山へと視線が抜けるような構想が、敷地を見た瞬間から思い浮かんだので、図のような配置計画にしました。水周りは北側にまとめておいて、ゲストルームを南にするのか、キッチンを南にするのかがポイントになりそうです。
1階に求める内容と、2階に求める内容を精査し、各部屋に広さを分けながら、もう少しはっきりとエリア分けして検討します。ゲストルームは普段扉を開けているとリビングの一部として使えて、よりリビングが広く感じられるように、間仕切りの障子など工夫しようと思いました。
プラン完成→プレゼン
かなり説明を省いた部分もありますが、何とか一つのプランをまとめることができました。プラン図は公開できませんが、ご提案時に使ったパースを一部お見せします。
キッチンもリビングの一部として壁向きに配置することで空間を広く見せます。ここから少し調整をして、プランのご提案が終わりました。喜んでいただけたみたいでホッとしています。これからお見積りと細かな仕様を決める打合せに入ります。長い道のりですが、楽しんでいただけるようなご提案ができればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた。