こんにちは。野澤工務店の野澤万里です。
先日、パッシブハウス認定住宅「継受の家(くまとりパッシブハウス)」に、全国から建築関係者の方々が見学に来てくださいました。北海道、埼玉、新潟、広島など、遠方から足を運んでくださった方も多く、1部25名、2部27名、合わせて50名以上の見学となりました。普段はそれぞれの地域で家づくりに向き合っている方々が、一つの住宅を見るために集まるというのは、なかなか珍しい機会だったと思います。

全国から継受の家へ
今回の見学は、釿始×住学の合同勉強会の翌日に行われた番外編で、県外の方を優先して募集が行われました。結果、募集開始から間もなく満席となり、早々に締め切ることになりました。普段は自分が他の建物を見に行く立場ですが、今回は自分のつくった家を見ていただく側です。多くの方に興味を持っていただけたことをとても嬉しく思いました。

築20年のリノベーション
まず外観を見ていただきながら、この家が築20年の住宅をリノベーションした住まいであることをお話ししました。新築の住宅だと思われていた方もいたようで、リノベーションと聞いて驚かれる場面もありました。既存の建物を活かしながら、これからの暮らしに合わせて空間を整えていく。リノベーションには、新築とはまた違った難しさと面白さがあります。

構造とリノベーションの苦労
家の中では、リノベーション前の図面を見ていただきながら、構造的な部分で苦労した点についてもお話ししました。既存の建物を読み取りながら、どこを残し、どこに手を加えるのか。リノベーションでは、この判断がとても重要になります。新築のようにゼロから設計するのとは違い、建物の履歴を読み解きながら整えていくという作業でした。

素材についての質問
見学の中で多かったのは、素材についての質問でした。リビングの床材であるリノリウムや、リビングの壁、キッチンにも使っているマホガニ合板について、多くの方が興味を持ってくださいました。今回の合同開催で発表されていた住学の渡辺さんは、このマホガニ合板を生産している新潟の会社と関係が深く、「見覚えがあると思った」と声をかけてくださいました。こうして素材の背景まで共有できるのも、建築に携わる人たち同士の見学ならではの時間だと感じました。
僕自身、素材を選ぶときには一つの基準を大切にしています。それは「最終的に土に還る素材であること」です。家は何十年と使われるものですが、いつか必ず役目を終える時が来ます。そのときに、自然に戻っていく素材であるかどうか。野澤工務店で選んでいる素材の多くは、その考え方を共通の基準にしています。見た目の美しさだけでなく、時間とともに味わいが深まり、役目を終えたときにも自然に還っていく。そういう素材を選ぶことが、長く住む家にとって大切だと思っています。

パッシブハウスへの挑戦
また、この家がパッシブハウス認定住宅であることについても、多くの質問をいただきました。PHJ全国大会でお話ししたように、この家は当初からパッシブハウスを目指して計画したわけではありません。リノベーションを進めていく中で、結果としてパッシブハウスに挑戦することになりました。既存住宅からパッシブハウスを目指すというのは簡単なことではありませんでしたが、その過程も含めて多くの方に興味を持っていただけたように思います。

写真はPHJ全国大会・五団体トークディスカッションでもご一緒した埼玉の水村さん(PHJ関東支部サブリーダー)
まとめ
今回の見学では、特別な発表資料などは用意せず、自由に見ていただきながら質問にお答えしていく形にしました。空調のこと、構造のこと、素材のこと。それぞれの視点から多くの質問をいただいたり、逆に僕から質問をさせていただいたりと僕自身にとっても学びの多い時間になりました。こうして全国の建築関係者の方に実際に空間を体験していただけたことを、とてもありがたく思っています。最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた。


