こんにちは。AGING WELLの大工×建築士の野澤万里です。
4月9日から、とある講義に参加しています。その名も「環境塾」。勉強するだけではもったいないので、AGING WELLのブログを読んでいただいてる方に、講義で学んだこと、今後僕が出来るようになること、成長を綴っていければと思います。
「環境塾」とは?
東京大学の前研究室の前先生と構造塾でおなじみM’s構造設計さんが始めた、「環境・構造・意匠を一人で解ける設計実務者を育てる」ためのスクールで、なんと受講者6名のみの貴重な会です。僕は幸運にもこの「環境塾」の一期生として勉強する機会をいただけました。
4月9日開校の日
開校の日、東大の工学部を目指して東京へ。この日は土砂降りの雨でした。大工の道を選び、大学に行かなかった僕にとって初めての大学。しかもあの東大ということで少し緊張しました。キャンパスに入ると美しい銀杏並木が奥まで続いていました。建物も歴史があって素晴らしいので追々共有します。
1回目の講義
講師は、住環境シュミレーションのプロである「Raphael設計」(ラファエル設計)の神長さんでした。あらゆるシュミレーションツールがある中で、どのタイミングでどのツールを使って答えを導き出すのかを、神長さんの実務内容を交えながら教えていただきました。
日本では、建物の温熱環境を表す数値として「UA値」が使われることが多いです。大手住宅メーカー各社もこのUA値の数値を良く見せようと、自社仕様の改定に取り組まれているかと思います。
神長さんの講義は、「UA値だけを頼りに環境設計をしていると大失敗するよ」という内容でした。UA値は、家の外回り(外皮)の性能を家の外皮面積で割った平均値なので、外皮面積を減らしたり、窓を小さくすることでどんどん良くなります。気を付けたいのは「UA値がすごい家」=「快適な家」ではないということです。
では、どのように快適な環境を設計するのでしょう?答えはシュミレーションをすることです。簡単な日当たりシュミレーションやUA値の計算は以前から取り組んできましたが、肝心な室温や冷暖房負荷のシュミレーションは時間がない・難しいという言い訳をして後回しにしてきました。そんな自分に喝を入れてこの講義に臨んだのですが、神長さんはとても簡単そうにシュミレーションの手順をデモストレーションしてくれました。正直に「これなら出来る!」と思いました。早速チャレンジしてお客様の家づくりに貢献できればと思います。
講義が終わった後は、今回「環境塾」で出会った仲間と食事へ。講義に負けないくらいの情報が飛び交う素敵な時間でした。レベルの高い方々の中で学ぶということは、自分を成長させる近道だと思います。素敵な出会いに感謝です!一期生の皆さま今後ともよろしくお願いいたします。
これから家づくりをされる方へ
今回の学びから家づくりで気を付けたいことを共有します。
・UA値、C値だけで判断しない
・エアコンを付けずに室温がどれくらいになるか(自然室温)をシュミレーションするとよい
・意味のある窓とそうではない窓があって、夏も冬も快適に過ごせる窓の配置や大きさを選定していくとよい
これらは施主よりも設計者と施工者がきちんと理解しているかが肝心です。
AGING WELLとして今後の取り組み
早速、シュミレーションを使った住宅設計にチャレンジしていきます。そして、標準仕様を、性能も含め再検討すること、再検討したAGING WELL仕様で規格住宅のご提案もできればと思っています。規格住宅は、フルオーダーではないAGING WELL仕様のお家で、フルオーダーの注文住宅よりも価格を抑えながら、良い住環境で暮らしていただくために設計した住宅です。リリースまでしばしお待ちを!耐震性や住環境もあわせてご提案できれば、きっとお客様にとってわかりやすく、安心して買いやすいお家になると思います。
最後に
今回このような機会を設けていただいた前先生、M’s構造設計の皆さま、協賛メーカーの皆さま、東京大学の学生の皆さま、そして講義をいただいた神長先生、本当にありがとうございました。次回も一生懸命学んで、AGING WELLの家づくりにフィードバックしていければと思います。今後ともよろしくお願いいたします。