こんにちは。AGING WELLの大工×建築士の野澤万里です。6月13日に行われた「釿始（ちょうなはじめ）」の第6回定例会で講師として40名ほどの前でお話しする機会をいただきました。今回は「構造塾」の辛口担当の堤氏とコラボ登壇でした。

釿始（ちょうなはじめ）とは？
建築に関わるすべての人（施主も含む）が教えあい、学びあうために、昨年12月に発足したFacebookコミュニティで、現在約160名ほどのメンバーが参加しています。僕も運営メンバーとして参加していますので、良かったら覗いてみてください→　釿始Facebookページ

会場はこんな感じ。普段セミナーで話すなんてことは無いので緊張しました。

「構造塾」堤氏の発表

テーマは「辛口工務店塾」。かなり攻めたタイトルですが、今の時代を生きる工務店には必ず聞いてほしい情報が盛りだくさんでした。意匠設計・断熱性能・気密性能・耐震性能・快適性能・安全性能・耐久性能など、どれを欠いても、途端に家づくりが成り立たなくなってしまうような「当たり前」がどれだけできていますか？という問いかけがあり、自分たちの家づくりがしっかり胸を張って提供できるものになっているのかを見つめなおす貴重な時間になりました。

僕の発表テーマは最近の学びについて

4月から通っている東大の前教授による「環境塾」での学びについてお伝えしました。環境塾について
16時から始まる環境塾の講義の前に参加している東大生の授業内容を情報共有です。東大の学生たちが当たり前のように扱う「ライノセラス」「グラスホッパー」「クライメイトスタジオ」「フローデザイナー（CFD解析）」などのシュミレーションソフトの解説です。「環境塾」の塾生は、このソフトたちを期間限定で使わせていただけるのですが、触ってみるとなかなか操作が難しく習得には時間がかかりそうです。

一緒に「環境塾」を受講している光山氏がフローデザイナーの操作をいち早く習得したらしく、飛び入りでデモストレーションしていただきました。（無茶ぶりですみません！）

「環境塾」で得られる最新情報

「環境塾」に参加していると貴重な情報がたくさん得られます。なんといっても講師陣が豪華です。前先生の国の環境に対する政策の裏事情をはじめ、ラファエル設計の神長先生のシュミレーションと実測の極意などなど、とても身になる情報がいただけます。

講義終わりの「社食」

レベルの高い実務者が集まれば、講義終わりに毎回行く居酒屋さんもたちまち講習会場に。
何気ない会話の中にも、自社の家づくりを進化させるヒントがたくさんあって、「これタダで教えてくれるんですか？」というような有料級の情報もごろごろ出てきます。

最後に

今回の発表をするにあたり、そもそもなぜ学ぶことを大事にするようになったのか？を改めて考え直すと、きっかけは昨年のヨーロッパ視察ツアーだなと思いました。恥ずかしながら32歳まで日本から出たことがなかった僕は、ヨーロッパ諸国の環境に対する意識の高さと、実際に取り組まれている本気の環境対策を目の当たりにして、「このままでは地球がやばい」というところまで来てしまっているとリアルな危機感を感じました。

普段から高性能住宅を作っていると言っている自分が、ほとんど何もできていないことに気づき、このままではまずいと思いながら日本に帰ってきたわけですが、実際に何から変えていけばいいのかすぐには分かりませんでした。そんな中、改めて周りを見渡してみると、「日本でも環境に対するプロがたくさん居るやん！みんな取り組んでるやん！」ということに気づきました。

そこからは、「実際に会いに行って勉強させてもらうしかない！」ということで、いろんな現場視察や講演に足を運んだり、PHJや新住協など日本のトップランナーが集まる会に加盟して、トップランナーがやっていることにまずは触れる、できそうなことはすぐに真似をするといった感じで、自社の標準仕様の練り直しに取り組みました。

このような感じで、最初は小さな1歩かもしれないけれど、「気づいて、学んで、変える」というように常に実践を意識して学びに行けば、学びの質が良くなり「気づけば大きな変化が起こっている」というような不思議な体験をすることができました。まだまだ進化途中の野澤工務店ですが、今しかできない学びを取りこぼさないように、しっかりアンテナを張って、これからは、学んだことを「伝える」ということにも力を注いでいきたいと思っています。

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。ではまた。