こんにちは。AGING WELLの野澤万里です。
2025年11月19日、東京ビッグサイトで開催された「ジャパンホームショー」の中で、新建新聞社が主催する「工務店経営会議2025」というセミナーイベントに登壇する機会をいただきました。僕が参加したセッションは「若手が考える工務店の行く末」。日本各地から集まった若手経営者たちと共に、工務店の未来について率直な意見を交わす貴重な時間となりました。

全国の若手工務店に学ぶ
当日は、北海道の藤城建設 -川内玄太さん、埼玉県の小林建設-小林伸之輔さん、広島県のきよかわ-清川創史さんと共に、それぞれの立場から取り組みや課題、ビジョンを発表。
企業の規模や歴史、家づくりのスタイルは違えど、どの発表も自己紹介の域を超えた素晴らしいものでした。
川内さんは、経営者親族が多数いる工務店を社外出身として継ぎ、年間100棟以上の高性能住宅を手がける経営基盤の安定化について。会社をこれから成長させていくのも難しいけど、年間100棟をコンスタントに受注していくことの難しさや規模が大きいからこそ起こる困りごとをリアルに感じられました。
小林さんは住宅系YouTuberとして発信のプロであり、その情報発信の重要性を強く実感しました。野澤工務店にはまだまだ足りないし、伸ばせる分野だと痛感しました。
そして清川さんは、住宅営業から家業に戻り自ら大工として技術を学び、手刻みによるものづくりを軸に「大工の魅力や価値を次世代へつなぐ」工務店像を語ってくれました。僕自身も、同じく大工をルーツに持つ者として強く共感する部分が多くありました。来年3月にきよかわさんを訪問する機会をいただけたので、これからの大工の在り方について、とことん語り合ってこようと思います。


今、力をいれること|ヨーロッパで得た学びを活かして
僕の発表では、ここ数年取り組んできた学びと、「未来に残す家づくり」への想いについて話しました。とくに印象的だったのが、一昨年と今年11月に訪れたドイツ・スイス・オーストリアの木造建築やパッシブハウスの現場視察でした。彼らは木を「成長する資源」と捉え、建築に多くの木材を活かすことでCO₂を固定し、環境負荷を軽減する循環型の家づくりを見事に実現していました。
戸建て住宅や大型の施設などを建てる際に木材を多く使用することで、建物自体が「カーボンストック=炭素の貯蔵庫」として機能します。そのうえで、50年、100年、200年と長く住み継がれることでCO2を固定し続け、地球にも人にも優しいサステナブルな循環につながるのだと、深く心を打たれました。ヨーロッパ諸国が唱える「ゼロカーボン」は何とも現実味のある言葉に聞こえてくるのです。
野澤工務店が建てる住宅も現在では「構造材」「断熱材」「外壁材」「内装仕上げ材」と多くの木材を使っていて、30坪くらいの家を建てると約28.5tものCO2を貯蔵していることになります。(当社調べ)現在、断熱材として使う「木繊維」は日本で生産されていないためヨーロッパの商品を使いますが、今後は「国産化」にも力を入れたいと思っています。



本音で語るトークセッション
後半のトークセッションでは、「理想と現実のギャップ」や「経営者としてのもやもや」など、普段なかなか語れないテーマにも触れながら、本音の言葉を交わしました。どの登壇者も、地域や状況は違えど「今ある課題に向き合い、少しでもより良い家づくり・会社づくりを実現したい」という覚悟を持っていたのが印象的でした。
発信、集客、育成、ブランディング、組織づくり。どれも簡単ではないけれど、だからこそ同じ時代を生きる仲間たちとの交流が何よりの学びになりました。
未来に向けて-
こうした貴重な登壇の機会をくださった新建新聞社の皆さま、そして共に登壇した三社の皆さまに、心から感謝申し上げます。それぞれの視点や取り組みに触れられたことで、自身の考えを整理し、改めて「未来に残す家づくり」のあり方について深く考えることができました。
答えは一つではありませんが、手を動かしながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います。これからも、大工として、設計者として、そして一経営者として、地域に必要とされる工務店を目指し、真摯に家づくりに向き合ってまいります。


