キタニワの家|岸和田市

2026.11.01

ご家族との出会いは、今から約2年半前のことでした。初めてお会いしたときから、私たちの住宅ブランド「AGING WELL」の家づくりに共感してくださり、「他の住宅会社は考えていません」とお話しいただいたことを、今でも鮮明に覚えています。当時は、自分たちの家づくりにファンと呼べる方が現れるなど想像もしておらず、その言葉が本当に嬉しく、大きな励みになりました。

そこから住まいの完成まで、およそ2年半。何度も完成見学会に足を運んでいただき、実際の建物や素材に触れながら、私たちが大切にしている家づくりへの理解を深めていただきました。長い時間をかけてお互いの考えを共有し、少しずつ理想の暮らしを形にしていく。その過程もまた、家づくりの大切な時間だったように思います。

計画地は、大阪府岸和田市の住宅地。南側には道路と住宅が並ぶ一方、北側には川が流れ、緑豊かな景色が広がっています。そこで私たちは、一般的な南向きのリビングという考え方にとらわれず、この土地の魅力を素直に受け取る住まいを目指しました。
北側に配置したLDKと庭、南から光を届ける吹き抜け階段、家族それぞれの居場所となる造作家具。高い断熱・気密性能を土台に、敷地の特徴を生かしながら、家族が自然体で過ごせる空間をつくっています。

家づくりを通して積み重ねた時間と、これからこの家で育まれていく家族の時間。その両方を大切にしながら、年月とともに暮らしが豊かになっていくことを願った「キタニワの家」です。

北にひらく暮らし

性能が叶える、方位にとらわれない住まい

南側に道路と住宅が並ぶこの敷地では、南向きの大きな窓が必ずしも心地よさにつながるとは限りませんでした。一方、北側には川が流れ、住宅地の中にありながら緑の景色が広がっています。そこで、この家ではLDKと庭を北側に配置し、川沿いの緑までひと続きに感じられる空間をつくりました。北側の窓から入る光は、一日を通して変化が穏やかで、室内に落ち着いた明るさをもたらします。一般的に北側の大きな窓は冬の寒さが懸念されますが、高い断熱性能によってその弱点を抑えることができます。方位の常識にとらわれず、その土地が持つ魅力を素直に受け取ること。UA値0.27という性能は、単に室内を暖かくするためだけではなく、設計の自由度を広げ、暮らしを豊かにするための大切な土台となっています。

暮らしの踊り場

光を届け、家族の居場所にもなる階段室

北側に暮らしの中心を配置する一方で、南側からの光と視線への配慮も大切にしました。南にある階段室を吹き抜けとし、2階の高窓から取り込んだ太陽の光を1階のLDKへと届けています。しかし、この階段室の役割は採光だけではありません。踊り場には子どもたちが腰を掛けられる場所を設け、その下にはご主人が書類仕事や読書を楽しめるカウンターを造作しました。段差に座って遊ぶ子どもたち、その下で本を開く大人。家族がそれぞれ違うことをしていても、互いの気配を感じながら過ごせる場所です。階段を単なる移動のための空間として終わらせず、暮らしの一部として使い切ること。限られた床面積の中に小さな居場所を重ねることで、数字以上の豊かさを感じられる住まいを目指しました。

風と景色が通り抜ける家

南北の抜けと曲面がつくる心地よさ

玄関を入ると、正面の窓を通して北庭の緑が目に入ります。限られた床面積の中でも、視線が外へと抜けることで、実際の広さ以上の奥行きを感じられるように計画しました。また、キッチンの北側にも窓を設け、家事をしながら外の景色を楽しめるようにしています。リビングの西側には、緩やかな曲面を持つ造作壁を設けました。壁の裏側を収納として活用しながら、角を丸く納めることで、空間をやわらかく整えています。直線的な構成の中に少しだけ曲線を加えることで、視覚的な圧迫感を和らげ、落ち着いた雰囲気を生み出しました。窓の配置による視線の広がりと、造作壁による空間のやわらかさ。小さな設計の積み重ねが、日々の暮らしに心地よい余白をつくっています。

HOUSE DETAIL

住宅概要 注文住宅
土地面積 133.17㎡(40.28坪)
建物面積 100.97㎡(30.54坪)
建築地 岸和田市
間取り 3LDK
キッチンタイプ セミオーダータイプ
断熱性[UA値] 0.27W/(㎡・K)
気密性[C値] 0.2㎠/㎡